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地域や家庭で長く受け継がれてきた料理。食材、行事、保存技術、食文化の背景を持つ。
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新潟県妙高産の伝統発酵調味料。唐辛子を毎年1月20日ごろに雪の上にさらして苦味と余分な塩を抜く「雪さらし」を経て、柚子・塩・米麹と合わせて3〜4年以上発酵させた辛み調味料。
唐辛子系調味料が好きな人向け。辛みだけでなく柚子の香りと発酵旨みが独特。鍋や焼き物に少量添えるだけで格上げできる。
熟した梅を塩漬けし、天日で干して作る日本の伝統保存食。塩分約20%の高濃度で長期保存が利き、戦国時代には陣中食、江戸時代には現在の製法が確立された。
強い酸味と塩気が特徴。酸っぱいものが苦手なら量に注意。ご飯のお供として少量ずつ食べるのが一般的。
親鸞聖人の命日法要「報恩講」で朱塗りの御膳に振る舞われる富山県の行事料理の総称。
地域や家庭で内容が異なる行事食の総称。単品ではなく11月28日前後の報恩講の機会に出会う料理群として捉えるとよい。
わらのむしろ「こも」で豆腐を包み、人参・ごぼうを詰めて煮た倉吉市の伝承料理。
冠婚葬祭に欠かせない伝承料理。わらで包む独特の製法に興味があれば試したい。
ついた餅を寒風にさらして乾燥させた秋田県の保存食で、農繁期の携帯食として親しまれてきた。
秋田県横手市など県内各地の直売所で購入可能。腹持ちが良いためおやつや行動食としてもおすすめ。
内臓を抜いたさばを塩漬け後、米糠に長期間漬け込んで熟成させる発酵保存食。福井県若狭地域や京都府丹後地域など、若狭湾沿岸に伝わる伝統食。
通年で福井県内の居酒屋や土産物店、越前海岸沿岸の食事処で味わえる。濃い塩気が好きな人向け。
グチなど白身魚のすり身を木の板に盛り蒸し上げた、室町時代から続く小田原市特産の練り物。
小田原市内のかまぼこ店で通年購入可能。蒲鉾板ごとの土産としても人気。
かしの実(どんぐり)から作る、朝鮮半島由来とされる救荒食で、現在は高知県安芸市でのみ食べられる貴重な郷土料理。
10月終わりのかしの実の収穫期、高知県安芸市周辺で作られる希少な郷土料理。飢饉を支えた歴史を体験したい人向け。
御所の料理人が考案したと伝わる、国内最大級の聖護院かぶを薄切りにした京都三大漬物の一つ。
11月ごろの聖護院かぶの収穫期、京都府内の老舗漬物店で購入可能。仕込み作業を公開する冬の風物詩も見に行きたい人向け。
かつて上賀茂神社の社家のみが作り御所へ献上した、京都三大漬物の一つに数えられる酸味の効いたかぶら漬物。
11月中旬から1月ごろの収穫期、京都府京都市の老舗漬物店で購入可能。お茶漬けにしても楽しめる京都三大漬物の一つを体験したい人向け。
江戸時代から続く仙台の素朴な菓子の総称。穀類や黒砂糖、水飴を使い、ささら飴やうさぎ玉など50〜60種類が手作りされる。
昔ながらの素朴な和菓子を土産にしたい人向け。洋菓子のような濃厚な甘さを期待すると物足りない。
アカネ科クチナシの果実を乾燥させた天然着色料。黄色色素クロシンを含み、栗きんとんやたくあんなどを鮮やかな黄金色に染める。香りより色づけが主目的の香辛料。
鮮やかな黄色の和菓子や漬物を楽しみたいときに。サフランやターメリックと違い、香りより色づけが主目的。
唐辛子を主体に山椒・麻の実・胡麻・陳皮・青のり・けしの実など6種の副原料を合わせた日本発祥の混合香辛料。製造元によって配合が異なり、江戸の辛口から京都の香り重視まで個性がある。うどんや蕎麦、牛丼の薬味として定番。
麺類や丼物にアクセントを足したいときに。京都系は香り重視、江戸系は辛さ重視と個性が分かれる。
日本原産のアブラナ科の植物で、根茎をすりおろして使う香辛料。江戸時代末期に伊豆天城山麓で栽培が始まったとされ、静岡県・長野県・岩手県・島根県などが主産地。すりおろすことで辛味成分アリルイソチオシアネートが生成され、爽やかな香りとツンとした辛みが立つが、時間経過や加熱で香味は失われやすい。
「本わさび使用」の表記があれば、粉わさびやチューブわさびとは異なる鮮烈な香りが楽しめる。食べる直前にすりおろされたものほど香りが高い。
肉を焼いたときに出る焼き汁(肉汁)をベースにしたフランスの軽いソース。「ジュ・ド・ヴィアンド(viande=肉)」が正式名で、英語では「au jus(オ・ジュ)」とも呼ばれる。デミグラスや濃厚なフォンとは異なり、素材の旨みをそのまま引き出したナチュラルなソースで、肉本来の味を邪魔しない。フレンチレストランでは高品質な肉料理に添えられることが多く、ソースの軽さがかえって素材の力を引き立てる。
ジュが使われている料理は素材の品質が直接伝わる設計。デミグラス系が苦手で素材感を楽しみたい場合に最適。ソースを多くかけず、少量でつけながら食べると旨みを最大限に感じられる。
肉・魚・野菜を焼いた鍋底に残ったメイラード反応の焦げ(フォン・ド・ポワル)に、ワイン・ブランデー・ブイヨン・酢などの液体を加えて一気に加熱し、旨みを溶かしてソースへ移すフランス料理の基本技法。英語では「deglaze(デグレイズ)」とも言う。フライパンで焼いた後の数十秒で行うこの工程が、市販のソースと全く異なる深いコクと香りを生む。ジュ・ド・ヴィアンド・デミグラス・バターソースのベースとなる。
メニューに「ソース・デグラッセ」「鍋底のジュ」などの表現があれば、素材の旨みが最大限に引き出されたソースを期待できる。料理の格を示す言葉として覚えておくと選びやすい。
「ソース・ヴァンブラン」はフランス語で「白ワインソース」を意味し、主にバター乳化ソース「ブール・ブラン(beurre blanc)」の系統を指す。エシャロットを白ワインと白ワインビネガーで煮詰め、そこに冷たいバターを少しずつ加えながら乳化させる。バターの乳固形分が懸濁することで生まれる独特のクリーミーさと白ワインの酸味のバランスが特徴。20世紀初頭にフランス・ナント近郊の料理人の妻が考案したとされ、ロワール川のカワカマス料理に合わせたのが始まりとされる。繊細な魚介料理に広く使われるフランス料理の定番ソース。
魚料理でクラシックなフレンチ感を楽しみたいときに。乳製品が苦手なら確認。
フランス・ブルゴーニュ地方のディジョン発祥のマスタード。ブラウンマスタードシードに白ワインまたはヴェルジュ(未熟ブドウ汁)を合わせた製法でシャープな酸味と鮮明な辛味が生まれる。19世紀にジャン・ネジョンが酢の代わりにヴェルジュを使ったことが現在の原型とされ、EU地理的表示(IGP)で保護されている。フレンチドレッシング(ヴィネグレット)の乳化剤としても機能し、ビストロからホテルフレンチまで幅広く使われる調味料。
単体で塩代わりに使うより、肉料理のソースやドレッシングに混ぜて味の骨格を作る使い方が典型。ステーキやローストポークへの添えとして提供される場合は少量でも風味が際立つ。辛みが苦手な場合は量を調整して。
フランス料理用語で、卵(または卵黄)と牛乳・クリーム・砂糖または塩などを混ぜ合わせた液体・生地の総称。加熱によって卵が固まる性質を利用し、キッシュ・プリン・クレーム・ブリュレ・フレンチトースト・ケーキ生地の土台となる。甘い(デザート向け)と塩味(料理向け)の2系統がある。
「アパレイユ仕立て」のように調理説明の一部として登場することが多く、単体の料理名として頼むものではない。卵と乳製品ベースの生地・液体が使われていると理解しておけば、キッシュやプリンなど仕上がりの食感を予想しやすい。
エシャロットと粗挽き黒コショウを白ワインビネガーまたは赤ワインビネガーで合わせたフランスの生牡蠣用ソース。フランス語で「小さな繊細なもの」を意味し、牡蠣の磯の旨みを邪魔せず引き立てる酸味とシャープな風味が特徴。シンプルな3〜4材料で作られるが、エシャロットの量・ビネガーの種類・胡椒の粗さで個性が出る。パリの老舗オイスターバーでは定番の添えソースで、レモンと並んで牡蠣の二大パートナー。
生牡蠣や冷たい魚介に合う。酸味と胡椒が苦手なら少量から。
フランス語で「休ませる」を意味するreposerに由来する調理工程。焼き上げた肉を一定時間休ませることで、高温調理中に中心に向かって収縮していた肉汁が繊維全体に再分散し、カットしたときにジューシーな仕上がりになる。英語ではレスト(resting)と呼ばれ、ローストビーフやステーキ、鶏のロティサリーなどでは必須の工程。目安は焼き時間の10〜20%ほど。生地に使う場合は、こねた後に休ませることでグルテンが緩んで成形しやすくなる。フランス料理だけでなく現代の焼き肉全般に応用される技術。
料理名より工程用語。ローストビーフやステーキのメニューで「レスト済み」と記載がある場合は丁寧な仕上げのサイン。切った瞬間に肉汁がこぼれ出ず、断面がしっとりしているのが理想。
濁った出汁やジュースを卵白(ラフト)やゼラチン濾過で不純物を吸着させ、透明な液体に仕上げるフランス料理の基本技法。コンソメ作りの核心工程であり、アスピックやジュレの透明感もこの技法に支えられている。
料理名としては出てこず、コンソメ・アスピック・澄んだフォンの説明に登場する技法用語。透明感ある一皿を頼めば体験できる。
囲炉裏の火床で魚や山菜を串刺しにしてじっくり焼く、山村の伝統的な調理スタイル。炭火の遠赤外線で皮は香ばしく、身はふっくら仕上がる。
山里の旅館や古民家レストランでの体験型料理。囲炉裏の雰囲気とともに楽しむ料理体験。
1924年にメキシコ・ティファナのレストランでイタリア系移民のシーザー・カルディーニが考案したシーザーサラダ用ドレッシング。卵黄・オリーブオイル・レモン汁・にんにく・ウスターソース・パルミジャーノ・レッジャーノを乳化させて作り、現代版はアンチョビを加えることが多い。ロメインレタスにクルトンとともに絡めるスタイルが原型で、アメリカで普及し世界中に広まった。アンチョビの旨みとレモンの酸味、チーズのコクが絡み合う完成度の高いエマルジョン系ドレッシング。
サラダでも食べ応えが欲しいときに。アンチョビ(魚介)・生卵・乳製品を含むため、アレルギーがある場合は事前確認を。にんにく風味が強めなので口に残ることを念頭に。クルトンの有無や量は店によって異なる。
フトモモ科の樹木ピメンタ・ディオイカの未熟果実を乾燥させた香辛料。シナモン・クローブ・ナツメッグを合わせたような香りがすることから17世紀の英国人により「オール(全ての)スパイス」と名付けられたが、実際は単一のスパイス。
ジャマイカ料理のジャークシーズニングや煮込み料理に触れるときに香りの正体として意識すると理解が深まる。
ヴェネト地方の胡椒を効かせた伝統ソース。鶏レバー、アンチョビ、黒胡椒、酢やワインなどを合わせ、野鳥や家禽のロースト、ポレンタに添える。ペアラとは別系統。
ジビエや鶏肉料理に添えられることが多い。レバーやアンチョビが苦手な人には不向き。食通・イタリア郷土料理ファン向け。
イタリア語で「紡いだ生地」を意味するチーズ製法。加熱で固めた凝乳(カード)を熱湯や熱いホエーに浸けて練り伸ばし(フィラトゥーラ)、繊維状の弾力ある組織を作る。モッツァレラ・ブッラータ・プロヴォローネ・スカモルツァなど、加熱すると糸を引く伸びのよいチーズはすべてこの製法から生まれる。
メニューには製法名としてではなく、モッツァレラ・ブッラータなど個別のチーズ名で登場することがほとんど。「よく伸びるチーズ」を探しているならパスタフィラータ製法のチーズが該当する。
鴨の血を凝固させ、豆腐のような角切りにして煮る血豆腐料理。南京の鴨血粉絲湯、四川の毛血旺、台湾の鍋物などで使われる。
見た目より味は穏やか。血の風味が苦手なら麻辣系より澄んだスープで試すと食べやすい。
八角・丁香(クローブ)・肉桂(カシア)・花椒・小茴香(フェンネル)など複数の香辛料を合わせた中国発祥のミックススパイス。「五」は種類数というより「多い・複雑」を示す語で、配合は地域やメーカーにより異なる。
中国料理らしい複合的な香りを楽しみたいときに。八角の香りが強いので、苦手な人は注意。
中国・福建省の「腐乳(フール)」が18世紀に琉球王国へ伝わり、泡盛を使って独自に発展した沖縄の発酵食品。島豆腐を乾燥させてから紅麹・泡盛・塩で4〜5ヶ月熟成させると、タンパク質が分解され「泡盛とエダムチーズを合わせたような」濃厚な風味になる。かつては宮廷の滋養食として珍重された。
発酵食品・珍味好きに。少量で強い風味があるため、泡盛とともに少しずつ楽しむ。初めては少量から試して。
1832年にウィーンの料理人フランツ・ザッハーが考案したオーストリアを代表するチョコレートケーキ。チョコレートスポンジにアプリコットジャムを挟み(または上面に塗り)、鏡のように艶やかなチョコレートアイシングで全体を覆う。ホテル・ザッハーの「オリジナル ザッハトルテ」として世界的に知られ、無糖の生クリームを添えて食べるのが伝統的なスタイル。
チョコレート好きには外せない名品。重めのケーキなのでコーヒーや紅茶と合わせると相性抜群。甘さが強いので、添えられた無糖の生クリームと一緒に食べるとバランスがとれる。
赤いパプリカ(ピメントン)と塩で風味付けしたスペイン・ポルトガル系の豚肉ソーセージ。スペイン式は乾燥・燻製した熟成タイプ(そのまま食べられる)が主流だが、メキシコ式チョリソは香辛料を混ぜた生の挽き肉タイプで調理が必要と、全く異なる製品。
辛さは種類によって大きく異なる。スペイン式の「ドゥルセ」は甘口、「ピカンテ」は辛口。メキシコ式は一般的に辛め。辛いものが苦手なら種類を確認。
数千年前のアステカ・マヤ文明に起源を持つ、トウモロコシ生地(マサ)に肉やソースを包み、トウモロコシの皮やバナナの葉で蒸す伝統料理。メキシコから中米に広く分布する。
葉は包み材なので外して食べる。小腹満たしなら1個、食事なら複数個とソース付きがよい。
炒った白ごまをすりつぶした中東の定番ペースト。フムス・ババガヌーシュ・ファラフェルソースの主要材料で、香ばしさとクリーミーなコクを与える。レモン汁・にんにくと合わせてソースにすることが多い。
ごま風味が好きなら選びやすい。フムス・ファラフェル・ケバブと相性がよく、中東料理では幅広く使われる。
セリ科ヒメウイキョウ属の二年草で、西アジア・ヨーロッパ原産。三日月形の種子はクミンに似た見た目だが、d-カルボンとリモネン由来の甘くほろ苦い清涼感のある香りが特徴で、中央ヨーロッパやユダヤ料理でパンやザワークラウトに使われる。
ライ麦パンやザワークラウトなど中央ヨーロッパ系の料理で、種子の食感と香りを楽しみたいときに。